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別誂え 加賀友禅 祝軸 「夏の日の1999~石崎奉燈祭」  (石川県 S様)
奥様からご主人へのサプライズでのご依頼です。
結婚20周年の記念に、ご主人のご出身の七尾市石崎の奉燈を大きく描いたタペストリーです。

石崎奉燈祭 … 漁師町・石崎の大漁祈願の祭りで、数ある能登のキリコ祭りの中でも最も勇壮な祭り。
1基が高さ約14m、重さ約2tのキリコを海の男たち約100人で担ぎ、夜通しで狭い路地を回ります。 

奉燈の基本の形や仕様は同じなのですが、文字や提灯、配置などがその年によって少しずつ変化することがあります。かつてご主人が「支部長」を務められた年の奉燈の姿を再現することになりました。

※「支部長」とは、前年の祭り翌日から本年の祭り当日までの任期で一区域のすべてをまとめる総リーダーであり、その役は人生で一度しか回って来ません。

あの日の熱い時間を思い出すような、そんな奉燈に染め上がるよう、奥様からお借りした当時の写真と近年の奉燈を参考にしながら細かい部分も出来る限り正確に表現しました。
上に染め抜いた家紋は、奉燈の東一区の「梅鉢」です。

完成しいよいよご納品の日、何も知らなかったご主人はビックリされたと同時に大変お喜びになられました。
そして、正面の「魚満浦」の文字を見て「これ、俺が支部長した時の字やね」とすぐにお気づきに!

お二人でお軸を眺める姿は奥様のご主人への愛情とお二人の祭り愛があふれており、お作りさせていただいた私共も本当にうれしい時間でした。