砥粉色(とのこいろ)から裾にかけて枯色へと徐々に色が重なるようにぼかされており、わずかに赤みを携えたこの地色には落ち着きと気品があふれます。
「杉」のみを主題としており、白、鼠、墨といった無彩色で表現された杉の葉の中に青磁、翡翠などの目を惹く色が際立ち洗練された印象です。葉の中央の小さな赤い実も愛らしい。
本作の作家・高平良隆氏は、紙に小下図や図案を起こさずに『白生地へ直接下絵を施す』という、加賀友禅において大変稀有な技術の担い手であられます。名匠の精巧な手仕事による、多くを語らずとも存在感ある逸品を是非ご堪能くださいませ。
華やかな礼装らしいものはすでにお持ちという方や、2枚目3枚目の訪問着にぜひおすすめしたい一枚。格調高い袋帯と合わせて改まったお席にはもちろん、洒落感のあるコーディネートで日常の延長にあるよそゆき着としてもお楽しみいただけるのではないでしょうか。
*浜ちりめん(滋賀県長浜産縮緬)一越生地使用
加賀友禅 訪問着 高平良隆
「杉」
(正絹胴裏・手縫い仕立て・消費税 込み)
※お問い合わせください
【 高平 良隆(たかひらよしたか)】
◯加賀友禅作家
◯加賀友禅技術保存会会員
<略歴と主な受賞歴>
京都 尾花正雄氏に師事
初代由水十久氏に師事後独立
1980年 第2回 伝統加賀友禅工芸展 銀賞
1981年 第7回 加賀友禅新作競技会 名古屋通商産業局長賞
1982年 第4回 伝統加賀友禅工芸展 金賞
第8回 加賀友禅新作競技会 協同組合加賀染振興協会理事長賞
1983年 第5回 伝統加賀友禅工芸展 銅賞
1984年 第6回 伝統加賀友禅工芸展 銅賞
1985年 第7回 伝統加賀友禅工芸展 銅賞
1986年 第8回 伝統加賀友禅工芸展 銅賞
1987年 第9回 伝統加賀友禅工芸展 金賞
1993年 第19回 加賀友禅新作競技会 石川県知事賞
1994年 加賀友禅技術保存会会員に認定
他、多数



