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別誂え 加賀友禅 花嫁のれん 「幾望(きぼう)」  (富山県 龍泉寺様)
富山県の龍泉寺様よりご用命いただきました。
お寺にまつわる三つの丸と龍の棲む泉を濃紺地の上に深く描いています。

左の丸はお寺の庫裡にある円窓で、この円窓から見晴らす黒部の夕景を写しました。手前の雄松と奥の雌松、その向うには能登半島が霞と浮かんで見えます。
右の丸は巡る四季を表す四君子が彩ります。そして中の丸は、龍泉寺のご家紋である「藤の丸に桔梗」の中心に、お寺の「牡丹の間」になぞらえて大輪の牡丹を配し、団欒の花が咲くことを表現しました。

かつて水を吹きこの仏刹を救った龍の棲む泉の澄明な水には、未草(ひつじぐさ)が花開き浮かびます。

「幾望(きぼう)」は満月の前夜の月の呼称で、翌日の満月を楽しみに待つという意味があります。
深い濃紺地に浮かぶ円窓を夜空の月に見立てて、この題をお付けいたしました。