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御誂え事例 花嫁のれん
別誂え 加賀友禅 花嫁のれん 「奏春の郷」
別誂え 加賀友禅 花嫁のれん 「奏春の郷」 (静岡県 M様)
二つの貝桶を宝相華唐草が彩り、茜色の空には幸運の花喰い鳥=翡翠(かわせみ)が今まさにその想いを伝えようと飛翔する場面です。
宝相華唐草と共に咲く大輪の牡丹は咲様のお母様のお好きなお花。そして、たわわに実る葡萄は子孫繁栄のしるしです。これら花喰い鳥、宝相華、牡丹葡萄唐草は飛鳥・奈良時代に起源を持ち「天平文様」と呼ばれます。
まさに、新婦のご実家・春名家の故郷である奈良の天平がこの度の物語の背景となっております。
二つの貝桶に新婦・咲様のお母様の故郷である石川県の兼六園と、これからお二人が新しい生活を迎える静岡の富士山の風景を。また、この二つの貝桶は幸せが幾重にも重なるように輪島塗の蒔絵のように表現されております。
貝桶は貝合わせの蛤をしまい、対になる貝を違えないところから夫婦和合の象徴です。
そして右下隅のお名前に添えた二枚の蛤にはそれぞれ新郎・健太様の誕生花のトルコキキョウと咲様の誕生日にちなんだコスモスが描かれております。
お名前は、咲様ご自身が友禅体験し彩色をされました。
こうして紡いだみなさまの原風景を描いたこの花嫁のれんには、咲様のお父様により「奏春の郷(そうしゅんのさと)」と名付けていただきました。
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