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正倉院文様を主軸とした繊細な筆致が目を惹く加賀友禅作家・吉村伊佐子の作品。そのライフワークでもある『天平文様』と『雪』の世界観を突き極めたような一品です。
古来より日本人は舞う雪を花弁に見立てその可憐な美しさを言葉や絵画で表現して参りました。加賀友禅の里・金沢の澄み渡った空を背景に舞う「雪の華」が春の訪れを寿ぎ、装う人とまた、出会う人々との歓びを分かち合うような心象が感じられます。

砂色や練色のような柔らかみのあるグレージュの地色に、翡翠、トパーズ、アメジストといった宝石のような彩りの唐花がふわりと広がりを見せ、上前衽と後ろ右身頃に縦に伸びるレースのような独特の意匠は、身に纏ったときに繋がるように配されています。
地色も相まって全体的に淡いタッチは一見すると大人しく慎ましやかな色調ですが、見れば見るほど、纏えば纏うほどに、忍ぶ華やかさを感じる訪問着です。

*浜ちりめん(滋賀県長浜産縮緬)一越生地使用


加賀友禅 訪問着 吉村伊佐子
「雪幻華」

(正絹胴裏・手縫い仕立て・消費税 込み)

【 吉村 伊佐子(よしむらいさこ)】
〇加賀友禅作家

<略歴と主な受賞歴>
1952年生まれ
1980~1985年 坂井染工場にて坂井正雄氏に師事
1985年 第11回 加賀友禅新作競技会 加賀染振興協会理事長賞
1989年 第16回 いろどり会 加賀染振興協会理事長賞
1990年 第16回 加賀友禅新作競技会 金沢市長賞
2005年 第31回 加賀友禅新作競技会 加賀染振興協会理事長賞
2006年 第24回 加賀友禅選抜女流作家新作競技会 優秀賞
2006年 第32回 加賀友禅新作競技会 金沢市長賞
2012年 第38回 加賀友禅新作競技会 伝統的工芸品産業振興協会賞
他、多数