明るい刈安色の地色に、浅縹色といった落ち着きある灰みがかったブルーの裾ぼかし。
本作は柔らかな桜の枝を主軸に、牡丹、菊、笹、桔梗、梅、青楓、といった四季を巡る草花が伝統的な琳派の表現で描かれています。
咲き誇る花々は大変色彩豊かに染めあげられ、鮮やかな花の美しさと加賀友禅らしさが溢れます。
また、縁起や魔除けの意味を持つ組紐が、花結び、藤結び、蝶結びの意匠で花々にそっと寄り添います。
そして注目すべきは下前から伸びる梅の枝。
柄行きが重い訪問着の場合ですと、後中心の裾柄の延長として下前にかけて柄の広がりがある…というものは数多くございますが、あえて下前側から枝を伸ばしたこの大胆で贅沢な構図に作家の意図を感じずにはいられません。
「着用時には見えなくとも着る方の心に伝わる部分である」と作者の山田氏は話し、全体の流れと均衡を取る構図となっています。
題の「いとか」には、縁を結ぶ意味合いの「糸」の柔らかな気配を「香」に重ね、平仮名にすることでより意味の広がりを持たせています。
ご縁を結び寿ぎその先に繋ぐような慶賀な訪問着。
改まったお席やご家族の大切な節目などに大変相応しい一枚です。
*浜ちりめん(滋賀県長浜産縮緬)一越生地使用
加賀友禅 訪問着 山田武志
「いとか」
(正絹胴裏・手縫い仕立て・消費税 込み)
506,000円
【 山田 武志(やまだたけし)】
◯加賀友禅作家
◯伝統工芸士
<略歴と主な受賞歴>
1971年 金沢市生まれ
1989年 金丸修一氏に師事
2005年 独立
2006年 第32回 加賀友禅新作競技会 伝統工芸品産業振興協会会長賞
2007年 第29回 伝統加賀友禅工芸展 金賞
第33回 加賀友禅新作競技会 金沢市商工会議所会頭賞
2014年 第36回 伝統加賀友禅工芸展 銅賞
第40回 加賀友禅新作競技会 金沢市長賞
2013年 第41回 加賀友禅新作競技会 中部経済産業局長賞
2016年 第42回 加賀友禅新作競技会 石川県知事賞
2017年 伝統工芸士 認定
2019年 第45回 加賀友禅新作競技会 協同組合加賀染振興協会理事長賞
他、多数







