別誂え 加賀友禅 花嫁のれん『菊唐花更紗文』

花嫁のれん 加賀友禅

【 別誂え 加賀友禅 花嫁のれん『菊唐花更紗文』 】

 

昨年お納めさせていただきました花嫁のれんのご紹介をさせていただきます。

お名前や婚家、その他諸々のストーリーを込めた花嫁のれんとなり、
「自分だけの花嫁のれんにするつもりはなく、たくさんの方に見てもらえれば」
という花嫁様のご厚意で、お名前などに関しすべて掲載のご許可をくださいました。

 

この花嫁のれんの主人公は、中能登町にあります「圓光寺」に嫁がれた更紗さん(旧姓 菊澤)。
「自分だけののれんにしたくはない」とお話しされ、
人と人とのつながりやご縁、そういった大切なことのへの想いを込めたのれんにしたい、とのこと。
また、お寺に嫁ぐということで、お寺にも飾った際にはみなさまが見て楽しむことができるもの
というのが、更紗さんとご家族様のご希望でした。

 

花嫁のれん 加賀友禅

 

旧姓「菊澤」にちなみ菊の花を主軸に、
お名前の「更紗」にちなみ更紗文様のような唐草をからめて…
と、ストーリーを始めました。
しなやかに美しく咲き誇る菊唐花に、独自の更紗文を添えています。
この更紗文にはご結婚されるお二人のご縁や日々を繋いだきっかけをこっそり潜ませています。

 

茎と葉が絡み合い伸び行く様子は、途切れることのないつながりや生命力を表現しました。
中央に配したのは「結び文(むすびぶみ)」。
和紙に手紙を書き細く折り、千代結びにした「結び文」には、
気持ちが結ばれるようにという願いが込められています。

結び文を窓に見立て、窓の向こう側には更紗木蓮(サラサモクレン)の木が春の空を彩ります。
この更紗木蓮は、とある交差点に実在する、更紗さんにとって思い入れのある樹です。
更紗木蓮の花言葉は「自然への愛情」「高潔な心」「慈悲心」。

 

そして、初めにお話をいただいた時から心に決まっていらしたのがこの地色です。
これは圓光寺の庭一面に花を咲かせる「のとキリシマツツジ」の鮮やかな緋色。
圓光寺のお庭には、樹齢600年の6株からなる13m(石川県一の大きさ!)ののとキリシマツツジが
GW頃から5月の半ばにかけ満開を迎えます。

庭一面が真っ赤に美しく染まった様子は圧巻で、見頃の時には県内外からたくさんの人が訪れます。
圓光寺のひとつの象徴ともいえる「のとキリシマツツジ」のまろやかな赤を再現いたしました。

 

題を『菊唐花更紗文』とさせていただきました。

__人とのつながりは会話から
___会話は、聴く から 花  が咲く  (きく・から・はな = 菊唐花)
____花咲く会話が広がり結ばれ 輪となり 和となる

 

ご家紋は嫁ぎ先である長谷家の「長谷部銭」です。
花嫁のれんは花嫁様のご実家の家紋を入れることが多いのですが、
更紗さんの「人と人とのつながりを大切にしたい」との想いと、
長谷部銭の紋が九つの円を描いた形で、人と人との和やつながりが広がるイメージを感じさせることから
長谷家の家紋をお入れすることとなりました。

弧を描くような全体のシルエットや枝ぶり、細かな部分にもたくさんの意味合いを持たせております。

 



<お誂え主の長谷更紗様より>

私は中能登町にある圓光寺というお寺に嫁ぎました。
不動滝をお守りする歴史深いお寺です。
ノトキリシマツツジが有名で、自然が豊かでとても癒される場所です。
今は、本堂再建中で今年夏頃に新本堂が建ち上がる予定です。
たくさんの人が集まってつながれる、温かいお寺にしたいと思っています。

花嫁のれんはそのお寺に飾り、色んな人に見に来てもらい、
のれんをきっかけに会話が広がり、たくさんの輪が広がり、
縁が大きくなって欲しいという願いを込めて、誂えて頂きました。

制作中は女将さんとの会話がとても楽しくて、
私たち夫婦や家族の色んな想いを引き出してくださり、
その想いを表現してくださり、思っていた以上の素晴らしい作品に仕上がりました。
のれんを実家まで届けて頂き、初めて目にした時には、なんとも言えない充実感と喜びを感じました。
そして、花嫁のれんを誂えてくれた母、私たちの想いをのれんに表現してくれた凛屋さんに対する感謝の気持ちで涙が流れました。

今は、これからこののれんを通じて色んな人と繋がり、縁が大きくなっていく事にワクワクしています。
新しいお寺と、この素晴らしい花嫁のれんに恥じないような人生を歩んでいきたいと思います。

本当にありがとうございました。

 


 

 

一本杉通りの『花嫁のれん展』は残念ながら昨年に続き今年も中止となりました。
来年こそは開催されることを願いながら…
花嫁のれん一枚一枚に込められた花嫁様のストーリーやご家族の想いを馳せて。

みなさま、心身ともに健やかにお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。

 

 

別誂えはデザインからすべてゼロから製作しますので、見本というものはありません。
誂え主様の想いを形にするべく、たくさんのお話や相談を重ね
誂え主様だけのストーリーをご一緒に作り上げます。

世界で一つのオリジナルデザインの染もののことなら、是非凛屋へご相談ください。
お問合せはメールまたは金沢店までお電話でどうぞ。

 

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