染め替え訪問着 想いや思い出とともに新たな一枚に
訪問着の染替えのご紹介です。
50年以上前に、お母様がお嫁入りの際に仕立て大切にお召しなっていたという訪問着の染替えを承りました。
その頃といえば、箪笥いっぱいに様々な着物を用意してお嫁入りすることが全く珍しくなかった時代で
たくさんの着物の中には仕付け糸がついたままのものも何枚もあったそう。
ずっと何年も仕舞っていたあったいくつものお着物の中でも、お母様が特にお気に入りでよくお召しだったという訪問着を
何かしらの加工をして自分がまた受け継いで着ていくことはできないか、というご相談を受けました。
かつてよく着用していたことや仕舞いっぱなしであったことから、淡い地色の着物全体にしみや黄変がありましたので、
思い切って濃い地にお染替えすることをご提案いたしました。
Before
↓ ↓ ↓
After
ごく淡いブルーグレーだったお着物が、深みのある滅紫(けしむらさき)に染め変わり、イメージ一新!
染替え前に、洗い張りをし不純物や汚れを取り除いたため、絹本来の艶が戻ったように元気になり
地紋の毘沙門亀甲も艶やかに引き立つようになりました。
訪問着の染替えは、柄部分を糊伏せして残しつつ無地場を染替えします。
この度の訪問着の柄は友禅ではなく素描きであったため、柄のどこまでの輪郭を取って糊伏せするのか等、
職人と細かく打ち合わせをしながら、そしてご依頼主様にはイメージをお作りするなどしてじっくりと進めてまいりました。
すべて一色に染めてしまわず、上前から下前にかけて地色部分をぼかしで残し、花が香るようなイメージで。
また、裾部分は全体の地色よりもほんの少しだけ深い共濃い色で染めています。
上左:糊伏せしてぼかし足にアタリをつけて染めている途中の様子
上右:左の状態を裏返した様子。染め上がりのイメージしやすいように。
染めながら、バランスを見ながらぼかしの分量を決めていきました。
新しい胴裏と八掛で、ご依頼主様のご寸法に仕立て直しました。
畳紙に納まる様子はまるで新品のよう。
お母様にたくさんの着物を持たせてお嫁に出されたお祖母様の想いや、
お母様が気に入っていた訪問着の思い出も残せたら…という思いでご相談くださったご依頼主様は
着物そのもののと着物にまつわる時間や想いも大切にしていきたい、とお話しくださり、大変お喜びいただけました。
お着物の染替えは「お手持ちのものを蘇らせる」という大前提のもと、
糊伏せや染めに関わる職人の技術、そしてお仕立てをする和裁士の手仕事が加わり完成します。
時代を経たものに、脈々と続く伝統や技術が加えられることで、
また新たな価値を付帯させうる着物のサステナブルな面を改めて感じました。
「若い頃に作った着物は色が華やかすぎて全く着ていない」
「譲り受けた着物の色味がいまいち好きになれない」
「気に入っていたのにヤケてしまい色むらがひどくて着られない」
そんな理由で、着なくなって随分長い間箪笥にしまってあるお着物や、
一度も袖を通していないお着物はございませんか?
思い切って染め替えをすることによってお好みの色に変えることができれば、
着用機会も増えるのではないでしょうか。
色無地はもちろん、訪問着や附下げといった柄のあるお着物の地色の染め替えも承っております。
ぜひお気軽にご相談ください。
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