花嫁のれんには物語がある

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花嫁のれん 花嫁のれん館

一本杉通りで毎年昭和の日から母の日まで開催している『花嫁のれん展』も今年で16回を迎えます。
長く続くこの花嫁のれん展のきっかけは、都会から来た一人の女性のひと言でした。

 

2003年夏、雑誌編集者の佐々木和子さんが七尾に訪れ、親交のあった一本杉通り商店街のおかみさん達と共に祭りを楽しんだときのことです。
七尾の街中に賑わいを戻す方法を模索していたおかみさん達との会話の中で、佐々木さんがおっしゃいました。

「これ(花嫁のれん)があるじゃない」

能登では祭りの日に花嫁のれんを掛けて客人をもてなす風習があります。
その祭りの日にももちろん家々に飾られていた鮮やかな花嫁のれんを見ての、佐々木さんのひと言でした。

 

みんなが持っている、けれど当然のように箪笥の中にずっとしまってある花嫁のれん。

しまいっぱなしで誰にも見られないことが当たり前だった花嫁のれんの美しさを改めて教えてもらったようでした。
飾ってみよう!おかみさん達は商店の皆に声をかけ、箪笥に眠る花嫁のれんを出して飾る提案をして回りました。
そして2004年春、56枚の花嫁のれんから花嫁のれん展が始まったのです。

 

それからは「私のも飾ってほしい」「なくなった祖母ののれん、飾ってもらえたらうれしい」など、少しずつすこしずつ輪が広がり、
飾られる枚数もぐんと増え、あっという間に全国各地から観光の方に訪れていただけるような催しとなりました。

 

昨年、2006年に亡くなられた佐々木さんが十三回忌を迎えたことを機に、ご遺族が生前親交のあった一本杉通りのおかみ会に遺産の一部を寄付してくださいました。
佐々木さんとの出会いがなければ花嫁のれん展は生まれなかった、佐々木さんへの感謝と、ご遺族のご厚意を形にしたいというおかみさん達の想いで、いただいた寄付で佐々木さんに所縁ある花嫁のれんを誂えることになったのです。

 

佐々木さんが大好きだった桜が咲き誇る様子を描き、佐々木家の家紋「揚羽蝶」を入れました。
家紋にちなみ、舞う桜の中には佐々木さんを模した蝶が一羽こっそりと飛んでいます。

地色は「TIFFANY ブルー」。
これは、一本杉通りの花嫁のれん展が、2013年に、日本の伝統文化の振興と地域社会の活性化に功績のある団体に贈られる「ティファニー財団賞―日本の伝統文化と現代社会―」を受賞したことに由来した思い出深い色です。

女性なら誰しも心躍るあのティファニーの箱をイメージしたブルーは、七尾の空にも繋がります。

 

この佐々木さんののれんはおかみ会から花嫁のれん館に寄贈され、花嫁のれん館に飾られます。

 

 

花嫁のれんの中心には必ず家族の物語があります。
一枚の大きなのれんに描かれた絵から、その物語を紡いで繋げていくことが花嫁のれん展の本質なのではないかと思います。

 

今年の連休は元号も変わり、超大型連休となりますので、ぜひ七尾に足を延ばし花嫁のれん展にご来場くださいませ。
それぞれ物語を秘めた花嫁のれんが170枚飾られます。

 

 

【第16回 花嫁のれん展】

2019年4月29日(月)~5月12日(日)

 

 

 

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